二段階に分けて行う肉の味付け

美味しく肉を味付けするために重要なのは二段階に分けて行うことです。まず手に入れた肉には下味を付けておき、調理する段階になってさらに別の味を付けるという形で料理を仕上げると味や風味を最大限に引き出すことができます。下味だけで十分に美味しい味付けにもできる一方で、薄めの下味にしておいて上から濃いソースなどをかえてかき消してしまうことも可能です。後から濃い味を付けるという場合には意味がないのではないかと考えられてしまいますが、下味を先に付けておくのには二つの意味があります。

一つは味をより良いものに仕上げるためのスパイスにする意味があります。予め塩や香辛料、ハーブやオイルなど付けておくことによって肉の中に含まれている水分に濃縮して取り込ませることができるのが下味の特徴です。薄めの味や香りであったとしてもしっかりと染み込むため、肉の味や風味を豊かにすることができます。水分が少し失われることも多く、その分だけ肉が引き締まって旨味も凝縮される効果が生まれて美味しくなるのです。この処理をしたことによって加熱調理をしたときに旨味が逃げにくくなったり、過剰に加熱することで硬くなってしまったりするのを避けることができます。最終的な仕上がりに影響する要素として重要なのが下味なのです。料理を引き立たせるためには下味を付けるタイミングも重要になることが多く、良質の肉であれば直前に味付けをするのが良いとされています。

もう一つ重要なのが保存性の向上です。少し濃い目の塩味を付けておくだけで雑菌が繁殖しにくくなって日持ちするようになります。肉を大量に仕入れることは飲食店ではよくありますが、その際にまとめて下味を付けておくことによって大量に仕入れた肉を無駄にせずに使用できるようにする工夫になるのです。また、後からの味付けを強くすることで、同じ肉を様々な料理に使用することができるため、料理に合わせて下味を変える必要性もそれほど高くはありません。ワンランク上の料理を目指したいというときには後からの味付けに合わせた下味を付けることが重要になりますが、汎用性があるように塩味だけに留めておけばどのような料理にも応用可能です。このような形で大量購入したときなどに保存性を高める上でも有用なのが下味であり、二段階に分けて味付けをする理由としてよく注目されています。