二つの観点から考える肉を洗う意味

衛生的に管理された中でパッケージングが行われていることから肉は洗う必要はないという考え方があります。日本では食品衛生法の管理下で食品の処理が行われているため、確かに安全にそのまま食べられる状態で商品として店頭に並べられている可能性が高いのは確かです。美味しい肉を仕入れるなら通販でより良いものを手に入れるという方法もありますが、この場合にも同様に正しく衛生管理された状態でパッケージングされて届けてもらうことが可能です。洗い流してしまうことによって肉汁やアミノ酸などが流れ出てしまうことになり、味を落としてしまうリスクもあります。そうであれば肉は洗う必要がないというのは確かですが、実際には洗った方が良いと考えられる観点が二つあるのです。

一つは肉の衛生問題からであり、サルモネラ菌やカンピロバクター、ウェルシュ菌などの菌が付着しているリスクはゼロではありません。水で洗い流すことによってその量を減らせるのは確かなので衛生状態を向上させるために洗うのは悪い考え方ではないでしょう。ただ、本当にそのような菌が付着していた場合には周りに菌を撒き散らしてしまうことになるため、肉を洗った後は周囲を必ず消毒してから野菜を刻むなどの他の調理をする必要があります。また、大半の菌については熱に弱いことから通常は十分に加熱して食べるだけで問題はありません。生食をしたいときには気をつけておいた方が良い点です。

一方、洗うことによって肉を美味しくするという考え方も実はあるのです。人肌よりやや熱いくらいのお湯でさっと洗うことで美味しさが増すことがあります。これは酸素に触れることによって肉の成分の一部が酸化されてしまい、味や風味を落としてしまっているときに特に有効です。やや古くなった肉が味落ちしたと感じるのは酸化による影響が大きいですが、やや熱いお湯を使うことによって洗い流すことができるのです。風味が落ちてしまったけれどまだ食べられそうな状態だというときには40度から60度程度のお湯で洗ってから食べるようにするとより美味しくなるでしょう。不要な脂も取り除くことができるので低カロリーにできるというメリットもあります。冷凍して質が低下してしまった場合にも有効な方法なので洗うならやや熱いお湯で行うようにするのが賢明です。